タクシー用語辞典

相乗り(あいのり)

一台のタクシーに2名以上で別々の目的地のお客様が乗車されること。

エピソード

日本では約10年に渡り放映されていた恋愛バラエティ番組「あいのり」としてお馴染みの方も多いのではないでしょうか?筆者も視聴していたのを覚えています。男女計7人がラブワゴンに乗車して様々な国で恋愛模様を追うドラマは長い間ブームを起こしたのが記憶に新しいです。
タクシー用語でいう相乗りとは、上記の通り目的地が別々の方が一緒に乗車される事を指します。仲間内で目的地が違う為、途中で一人降車させてメーター料金を折半して払うという場面が相乗りという形です。帰宅時に方面が一緒の友人や、送りたい方がいる場合相乗りしている方が多くいると思います。全くの他人が別々の地点から乗り合わせることはなかったのですが、実は最近新しく他人同士の相乗りのサービスが日本に導入されたのをご存知ですか?海外では浸透していて、乗車率が高いそうなのです。日本ではまだ防犯面などの不安な声から浸透していないのが実情ですが、実はメリットもあるのです。

メリット1
交通費が安くなる
乗車した方が多ければ多いほど、一人当たりの乗車料金が安く済みます。通勤時や怪我をしている方、大切な荷物を運びたい方で、タクシーの料金は高いけど利用出来たらという方にはピッタリです!電車と違って乗り換えがなく目的地まで直接たどり着ける為こちらも喜ばれるポイントになっています。

メリット2
CO2の削減に貢献できる
地球温暖化などで近々重要視されている環境保護活動。この相乗りサービスもその一環です。一人一人が車やタクシーに乗車すると、必然的に乗車台数の稼働率が増えるので大気汚染を加速させてしまいます。相乗りを利用すると一人当たりの稼働台車数が減るのでCO2の削減に貢献できるというわけです。また稼働台車数が減ることで渋滞も抑えられるので、環境に優しいだけでありません。

メリット3
会話が生まれる
中々こちらは警戒しやすい日本では難しいのかもしれませんが、海外では他人同士でも目的が一緒の方と会話して仲良くなることがあります。例えば同じコンサートに行かれる方がいたらその場で盛り上がるのも醍醐味です。もちろん挨拶のみで会話がない場合もありますが、もしかしたら海外同様に出会いがあるかもしれません。


メリットがあればデメリットがあるのも当然です。
デメリットとしては、不穏なニュースが日本でも近年増加しているため防犯面は気になります。対策として決済システムが紐づいているので、何かあった時は乗車する方がすぐに身元が特定できるようにはなっていますが、やはり浸透するのはまだまだ時間がかかるようです。

海外ではUBERのようなシステムで狭い空間で白タクのような車に他人同士が乗り込むのに対し、日本では海外のUBERのような一般のドライバーが運航するシステムと、タクシー会社と提携しているシャトルバスやアルファード車のような広めの空間に複数人が乗り込むシステムが導入されていて、後者のほうはドライバーと乗客間のトラブルは起こりにくく比較的日本向けに改良されていて、利用しやすいのではないかと思います。


海外では既に導入されてから数年がたっている国もあり一般化しています。中には子供用の相乗りサービスもあって、学校や習い事への送り迎えなど法律で子供の送り迎えが義務付けられているアメリカでは国に合ったサービスが提供されているようです。フランスではブラブラカーというシステムがあって、電車やバスを検索するときにブラブラカーの料金も表示される仕様になっています。パリからマルセイユ区間(おおよそ東京駅~広島)新幹線だと約日本円で1万4千円するチケットが、ブラブラカーだと約半額以下の6000円でご利用できるため利用される方も多いそうです。韓国ではお客様が乗車中でも走行中に乗客を拾って相乗りされることもあったりと、国によって色んな相乗りの形があるのも面白いです。

日本ではまだ4区間と乗車できる場所が決まっているので、相乗り車は少ないのですが一般化すれば将来的に街中をシャトルバスや大型の相乗り車が多くなるかもしれませんね。