タクシー用語辞典

足切り(あしきり)

定められた基準に値しないものを除くこと。タクシー業界ではノルマという意味。

エピソード

足切りというと入学試験での選抜落ちで、受験の資格をもらえないことを指すため、ネガティブなイメージが付き纏いますが、タクシー業界の足切りはまたニュアンスが違います。

簡単に言うとノルマと同じ意味です。

ノルマといってしまうとマイナスなイメージが沸きますが、サボることなく勤務時間をしっかり勤めれば、タクシー業界の足切りは問題なく超えられる数字になっています。どの企業も、べらぼうに高い数字を設定している会社はなく問題なく、誰でも超えられる数字ではあるのですが、どうしても数字があることによってプレッシャーと感じてしまう方もいらっしゃるようです。企業により条件は様々ですが、足切りの条件がない企業もあるので求人の方を検索してみてください。

では、足切りに届かなかった場合のケースはどうなるかを紹介します。
文字通り会社からクビを言い渡されるのでしょうか?
結論から言うと、クビや基本給から減額ということはあり得ません。
タクシー業界の給料は基本給+歩合によって給料が決まるのですが、この基本給から引かれることは一切ないのです。タクシー業界以外でいう営業ですと、営業成績によって給料にインセンティブが発生しますが、タクシー業界も一緒です。

タクシーというとブラックなイメージがある方もいらっしゃると思うのですが、近年では改善され働きやすく、しっかりお給料も発生するので独特の生活リズムに慣れてさえしまえば実はおいしい仕事なのです。基準を超えたらしっかりインセンティブが支給されるので、やった分だけ結果につながってやる気が出ます。

他に足切りがあることによって変わることといえば、企業側も転職者側にとっても入社前の篩いになることだと思います。
乗務員にやる気があってほしいという企業は足切りを設定する企業が多く、言われなくても多くの乗務員が超えてほしいラインを超えてくれます。足切りがあった方が、元々稼ぎたいなど目標を持っている乗務員にとって、自分を律するラインになるのです。自分との戦いになる車内では、ついつい自身を甘やかしたくなりますが‘’足切りがある!‘’ということでその日はここまで絶対頑張ろうと目標になります。

タクシー業は人との繋がりがあっての接客業です。
毎日同じ天候ではないし、お客様も一期一会。一発でクリアできる日もあれば、偶然が重なってコロナ禍のような日も何年かに1度はあるかもしれません。他の業界と違って、同じルーティンにならず思い通りにいかないこともありますが、足切りという目標があることで頑張れるドライバーもいるのです。

逆にのんびりしたい、お金というより運転が好きだからタクシー業界に転職したい!
という方には足切りがない方が、ストレスがなく働けるのではないかと思います。足切りを設定していない企業がいいとか、悪いとかではなく自分の目標や性格に合った企業で働くのが一番だと思います。