特別区・武三の運賃改定が実施へ 物価問題閣僚会議が原案通り承認(TAXI JAPAN420号)

公開日:2024/09/20 00:52


10月7日の物価問題に関する関係閣僚会議(主催=松野博一内閣官房長官)において、消費者庁から付議された東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定案が、原案通りに認められた。改定率は14・24%。

普通車は、初乗り1.096キロ500円、加算255メートル100円、時間距離併用運賃は95秒100円、時間制運賃は初乗り60分5360円、加算30分2450円となる。

東京都特別区・武三地区の本運賃改定は、消費税改定(2014年と2019年)や2017年1月30日に実施された初乗り短縮のための運賃組替を除くと、2007年12月3日(改定率は7.22%)以来で15年ぶりとなる。関東運輸局が10月11日にも新運賃を公示し、実施は11月14日となる。

今後は、採用する配車アプリごとなど大手を含めて各社で対応が分かれる可能性の高い迎車料金の設定額に焦点が移ることになる。​



5項目の対処方針を示す

名称未設定


物価問題に関する関係閣僚会議では、「一般乗用旅客自動車運送事業(東京都特別区・武三地区)においては、運送の効率化が図られているものの、タクシー乗務員の労働環境の改善、ユニバーサルデザインタクシーの導入、配車アプリ・キャッシュレス決済の導入等のサービスの質や安全性の向上のために必要な投資を進めてきた結果、収支率が悪化しており、今後、更なるサービスの向上やタクシー乗務員の労働環境の改善を行うためには、平成19(2007)年以来の実質的な運賃改定が必要であるとして申請があった」としながら、消費者委員会が付議した原案通りの内容で「運賃改定を認める」などとし、その上で、5項目の対処方針を国土交通省などに示した。


フォローアップと監視を求める


5項目の対処方針では、①政府は、本運賃改定による値上げ幅が小さくないことに鑑み、消費者の理解を得るための積極的な周知を行うとともに、タクシー事業者等から消費者へ丁寧な情報提供・説明が行われるよう指導する。また、政府は、本運賃改定が消費者に与える影響について、適切にフォローアップする、②政府は、本運賃改定による値上げが、タクシー乗務員の賃金水準等の労働環境の改善に適切に反映されているか継続的に監視を行う、③政府は、タクシー事業者等において、消費者の安全性や利便性を向上させる一層の取組が行われるよう推進する、④政府は、タクシーの利便性向上に向けて、消費者等からの意見聴取を行い、消費者参画の機会を確保するための取組を推進する、⑤政府は、デジタル化の進展や新型コロナウイルス感染症の拡大、国際的なエネルギー情勢に伴う燃料油脂費を始めとする様々なコストの上昇等に応じて、また、中長期的な人口減少等の社会環境の変化の影響を見据え、必要な対応を柔軟に行うとともに、消費者利益の確保につながるよう、運賃制度について継続的な検討を行うーなどとしている。​

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