改善基準告示の見直しで最終報告 労政審労働時間等専門委が会合(TAXI JAPAN420号)

公開日:2024/09/16 00:26


労働政策審議会は9月27日、都内千代田区の「厚生労働省会議室」において労働条件分科会の第9回自動車運転者労働時間等専門委員会(委員長=藤村博之・法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)を開き、令和6(2024)年4月からの施行が予定されているハイヤー・タクシー、バス、トラックの改善基準告示の見直しについて審議し、各作業部会による見直しの方向性を承認した上で報告をとりまとめ、労働条件分科会の荒木尚志分科会長に提出した。周知期間等を十分に取るため、今年12月にも改善基準告示が改正され、再来年(2024年)4月から適用となる。​



日勤299時間が288時間に


時間外労働時間の年960時間の上限規制が罰則付きで導入される令和6(2024)年4月からの適用が予定されている改善基準告示の見直しでは、主な内容として、タクシーの1カ月の拘束時間が、日勤では現行299時間が288時間(マイナス11時間)となるが、隔勤は現行の原則262時間(最大270時間=年6回まで)が維持される。また、1日の休息期間は、現行の継続8時間が「継続11時間を基本とし、9時間が下限」に延長される。一方で、予期し得ない事象として、事故や故障、災害等の止むを得ない場合の例外的取り扱いも規定される。


名称未設定


冒頭、藤村委員長は「これまで各作業部会で熱心に議論いただいた結果、ついに本日、最終の取りまとめとなった」などと挨拶。


最終とりまとめの報告案に対して、ハイタク作業部会の労働者代表である久松勇治委員(私鉄総連社会保障対策局長)は「日勤の休息期間が11時間とならなかったことは残念だが、隔勤の休息期間は24時間が基本となったので、長時間労働や健康被害を防止できるように周知をお願いしたい」などと求めた。 使用者代表の武居利春委員(昭栄自動車代表取締役、全タク連労務委員長)は「タクシーは歩合給であり、労働時間短縮イコール賃金減少という実態から全国で抵抗感が示された。乗務員不足解消のためにも労働時間の短縮が必要だという認識はあるが、急速な変化では対応は難しい」などと理解を求めた。​

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