40代のタクシー転職って大丈夫?不安な方必見です!

公開日:2024/09/20 02:53


タクシードライバーのイメージのひとつに「さまざまな職を経て高年齢で初めてドライバーになった人間が多い」というものがあります。確かにそういった人は少なくありません。なぜなら過去の経歴はほとんど問われず転職してチャレンジできる仕事がタクシードライバーだからです。つまり40代から目指してもけして遅くはないのです。


40代で転職を考えている方には、それぞれ理由があるかと思います。入社後20年程を迎えて今後の将来を考えてキャリアアップを図りたい。現状に甘んじることなく、新しい技術や知識を身に着けてスキルアップを目指したい。これらの動機からくる転職においては、給料アップを目指した収入増を見込んだ挑戦とも言えるでしょう。


しかし、現実は厳しく20代、30代に比べると転職先が簡単に決まる状況にありません。厚生労働省が発表している「雇用動向調査」より転職入職者の状況を調べてみたところ、40〜44歳の男性5.4%、女性7.7%、45〜49歳の男性4.5%、女性5.9%といずれも一桁台となっています(令和3年1年間の調査)。なぜ、このように厳しい状況にもかかわらず、転職の道を選んでいるのでしょうか。同じく「雇用動向調査」より、転職入職者が前職を辞めた理由を調べてみます。男女ともに最も多い割合を占めた「個人的な理由」を除くと、40代の男性は「職場の人間関係が好ましくなかった」女性は40〜44歳が「会社都合」、44〜49歳が「定年・契約期間の満了」という結果が出ていました。男性は、人間関係に悩み違う職場へ活躍の場を求める傾向があり、女性はやむなく転職先を探すことになったケースが多くみられるようです。


私の周りにも40代で転職した人間は何人もいます。皆、さまざまな転職理由があるようでした。ただ次の仕事が決まっておらずに退職した人や、転職先が決まっていないので現職をまだ辞められないという人に、私はタクシードライバーを強くおすすめします。


この記事は40代以上でタクシー業界を目指す方、考えてはいるけど不安だという方に読んでほしい記事です。



 40代の転職はなぜ難しい?

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最初に40代の転職が難しいと言われていることについて書かせていただきます。なぜ40代の転職は難しいのでしょうか。


企業はコストをかけて求人する際に、できるだけ長期間戦力として活躍してくれる人材を求めています。現在は年齢制限による求人は原則として不問とされていますが、「長期勤続によるキャリア形成」を目的とした企業の求人の場合、40代の求職者には条件に当てはまらない場合があります。長期勤続によるキャリア形成とは、若年者を対象に長い期間の時間をかけて人材を育てていくことを意とするものです。


また、企業は40代の社員に対して管理職のスキル、すなわちマネジメントスキルを求めている傾向にあります。前職でどのような結果を出したのか、何人の部署でどれだけの後輩や部下をまとめて仕事をしていたのか。このような実績や経験がない場合は、管理職候補から外れてしまいます。


20代〜30代であれば、企業は入社後に経験を積んでもらって育てようという考えにもなりますが、40代では即戦力を求めているため採用に至らないケースが多くみられます。また、管理職にはコミュニケーション力を主としたヒューマンスキルが大切です。良い人間関係を築き、経営者と社員の間に立ち円滑に業務が遂行されるように立ち振る舞えるかを企業側はチェックするでしょう。


よって前述のように前職を辞めた理由が「職場の人間関係」となる場合、対人関係に難があるとみなされてしまうかもしれません。つまり40代の人間の転職は、若いときよりも厳しくみられるということなのです。


40代における一般的な転職についての問題点や不安点を挙げてきましたが、すべての方がこのようなことを抱えている、転職に失敗しているわけではありません。もちろん、前向きな転職であれば、いきいきとした気持ちで転職活動に励むことができます。転職を人生の良い転機とするべく、人生設計のひとつとして失敗のない転職活動をしましょう。本稿は、タクシー業界が40代の転職先の選択肢になりえるということを説明していきます。


 タクシー業界は40代転職希望者にとって楽園なのか

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私は30代でタクシードライバーになりましたが、もし誰かに40代でもしタクシー業界を目指すと相談されたとしても「大丈夫、やってみたほうがいい」と言うでしょう。それには2つの理由があります。


1つは、タクシー業界は40代を歓迎しているからです。タクシー業界は人出不足です。さらに50代、60代からタクシードライバーへ転職する方も多く、私たちの平均年齢は50歳を超えていますので、40代はまだ若手だと言えます。このことが40代からでもタクシー業界への転職におすすめできる理由のひとつとして挙げられます。


タクシードライバーへの転職ですが、基本的に募集に関する年齢制限はないことが多い。一般的には定年後である65歳以上でも嘱託として入ることが可能な会社も多い。ただし、勤務するにあたり長距離の運転を行うこともあり、体力は必要となります。もちろん40代は働き盛り。体力でまだまだ勝負できるでしょう。当然体力があれば集中力も続き、事故も起こしにくいと考えられます。タクシー会社からすると若く、事故率が低い社員を迎えたいと思うはずです。


初心者で実際の面接について心配という方もいるかもしれません。ただタクシー業界は、志望者にとって売り手市場なので、いくつかの条件が不適合でなければまず間違いなく入ることができます。いわゆる最大手と言われるいくつかのタクシー会社は厳しい傾向にありますが、ほとんどの会社の採用基準は非常に緩くなる傾向にあります。


今よりさらに人手不足だった一昔前の面接で、健康状態だけを確認されたあと「シャツ脱いで後ろを向いてください。入れ墨ありませんね。はい合格です」というような面接もあったと聞きました。


タクシー会社によって良いタクシードライバーとは、無事故かつ無違反で、欠勤することがなく、一定以上の売上を出し続けてくれて、他社に転職しないドライバーを指します。年齢よりも面接で真面目さや人となりが重要視されると考えられます。


 40代未経験でも稼げるドライバーを目指せるから

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業界に入りやすいと言っても、収入面も心配かもしれません。その点では、40代未経験であっても稼げるタクシードライバーになれる可能性は十分あります。都内のタクシードライバーの給料はほとんど歩合制になっており、真面目でやる気があればきっと稼げるようになれるでしょう。そこに年齢は関係ないのです。もしも若い女性のタクシードライバーがいたとしても、お客さまが乗り合わせるかどうかには関係ありません。ある意味では60歳を過ぎても想像以上に稼げる可能性があるのです。


都内でお客さまを乗せて走ることが初心者でも、入社後に二種免許の取得やタクシーセンターでの研修でしっかりと学べるので安心してください。普通免許所持者が二種を取得するために、必要な費用はおおむね20万〜25万円程度かかります。ただタクシー業界には入社時に「お祝い金」などをもらえる慣例がありますので、こちらをあてられるのです。タクシー会社に就職するのにあらかじめ二種免許を自力で取得してからタクシー会社を受ける人は、あまり多くありません。大抵の場合は、会社に用意されている研修制度などを利用して免許を取得します。また免許取得中でも給与を支払う会社がありますので、面接時に確認してみてください。


この研修には地理試験と法令試験があり、この試験に受からないとタクシードライバーになることはできません。ただ言い換えれば、学びさえすれば最低限のタクシードライバーに必要なことが身に着けられるということです。あなたが40代だとして考えてほしいのですが、50代や60代の先輩たちも同様に学び、試験を突破しているのですからぜひがんばってみてください。


 40代からタクシードライバーへ転職するメリット

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では40代が好まれることが分かったところで、転職者目線でのタクシードライバーのメリットとデメリットをご紹介します。メリットは3点あります。1つは高齢から働く方が多数いることです。前述したとおり、タクシードライバーは高齢の方が多い。ただ彼らが皆金属30年、40年というわけではありません。40代、50代、60代で初めてタクシードライバーになった方もたくさんいます。つまり40代の初心者ドライバーは珍しくないのです。これは気分的に非常に楽なのではないでしょうか。面接・入社したタクシー会社でも自分と同様の方と仲良くなれるかもしれません。何らかの理由で長期間失職していたとしても、社会復帰するのにもってこいの職業とも言えます。


もちろん60代になってもドライバーをやっている方がいるのは、タクシー業界には何歳になっても仕事を続けられるシステムがあるという証明です。タクシードライバーは、40代で始めても先を考えて働き始められる職業なのです。


2つめはコミュニケーションが苦手でも仕事ができることです。コミュニケーション下手でも人と話すのが苦手でも、タクシードライバーはやっていけます。ひょっとすると「タクシードライバーは会話が上手でなければいけないのでは?」と考える方がいるかもしれません。確かに話好きなドライバーもいるので、話かけられたり会話が盛り上がったりしたことが記憶に残っているのでしょう。例えば一人で乗ってきたお客さまでも、話しかけられないほうが心地いいという方も多いのです。会話はタクシードライバーの接客のひとつですが、ひとつでしかありません。言ってしまえば最低限、正しく目的地を伺えばいいのです。40代までコミュ障だった、接客業や営業職をやったことがない……だからといってタクシードライバーをあきらめる必要はありません。話が面白くなくても、丁寧で安全な運転ができれば、そのドライバーはお客さまに信頼されます。


最後はさまざまな人に出会える刺激が得られることです。40代以降で知らない方とこんなに会える職業はタクシードライバー以外ないのではと思います。当然ですが、ほとんどのお客さまはリピーターではなく初めてお会いする方です。まさに一期一会で、こちらが話さなくても話をどんどんしてくれる方も多い。一人で飲みに行って、周りにいる方にどんどん話しかけられるようなコミュニケーション能力が高い方ならいざ知らず、人生でなかなか交わることのないお客さまと話ができることは非常に刺激的です。東京のさまざまな街で、どんなお客さまを乗せて、どんな話を伺えるのかはタクシードライバー仕事の楽しみのひとつなのです。ドライバーの年齢にかかわらず、飽きない職業であることは間違いありません。


 40代でタクシードライバーになったときデメリット

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いいことばかりを書いてきましたが、ここではタクシードライバーになったときのデメリット、つまり不安に思う点を書き出してみました。まずは、苦手なお客さまに出会う可能性があることです。面倒なタイプのお客さまはゼロではありません。しかし基本的には大丈夫だと言えます。確かにテレビ番組やニュースで時おり、タクシー運転手が絡まれる映像を見たことがある方もいるでしょう。ただ逆にそれが安心できる要因です。今のタクシーにはドライブレコーダーが付いているのでお客さまとのやり取りは録画されています。何かあってもこちらに非がなければ映像を証拠にできるのです。運転席の後部に防犯パネルもあります。


酒場で酔っているお客さまは、長距離乗車していただけるかもしれませんが、厄介な泥酔状態の可能性があります。それを避けるために新宿歌舞伎町のような繁華街にはあえて近づかないで営業しているドライバーもたくさんいます。40代でお客さまに嫌な絡まれ方はしたくない、そう考えるのは自然なことでしょう。確かに嫌なお客さまはタクシードライバーにとってのデメリットです。ただそれは自分の判断で、ある程度リスクヘッジができるのです。


次に慣れていないのに長時間運転ができるのかどうかです。長時間、運転しっぱなしなのは不安かもしれませんが、これも大丈夫だと言えます。街なかで停車しているタクシーをのぞいてみてください。車のシートを倒して寝たりしていませんか。また昼間に喫茶店やファミリーレストランで長居しているドライバーを見たことはありませんか。


タクシードライバーは勤務時間中の拘束は緩いものです。安全に乗務するためには、眠気や疲れは天敵です。しっかり休むことも重要なのです。確かにお金と引き換えに長距離の運転を求められることもあります。ただタクシードライバーは1カ月の乗務日数自体が少なく、短距離の運転がほとんどです。最初からそこまで体力を求められないのではないでしょうか。


 まとめ


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  • タクシー業界は40代の転職希望者におすすめできる
  • 40代からタクシードライバーになるメリットは多い
  • 40代でドライバーになったときのデメリットはたいがい解決できる


そもそも転職するハードルが高まってくるとされる40代で「未経験からタクシードライバーになっても大丈夫なのか」という記事を書かせていただきました。繰り返しますが40代の転職でおすすめなのがタクシー業界です。40代から初心者として再出発するだけではなく、しっかりと稼げる可能性もあるからです。本サイトはもちろん、情報もたくさん出回っています。タクシードライバーは慣れたらとっても楽しい仕事ですよ。

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