タクシー 銀座と新宿 お客様の特徴比較

公開日:2024/09/20 00:52


 お買い物客を狙え!昼の銀座の稼ぎ方


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ここからは昼の銀座でどうやって営業するべきかをお話ししたいと思います。まず午前中ですが、基本的には人が少なく閑散としています。ただ、8時から11時についてはホテルから出てくる旅行客などが見られるため、流しているとお客さまに出会える可能性はあります。ただ、お客さまの数は決して多くないので、午前中の時間帯に銀座に来るのであれば、もう少し西側の日比谷通りを流してみたり、丸の内あたりを探ってみたりするほうが良いでしょう。もちろん、銀座にも会社は多数ありますし、ビジネスマンを狙う手はあるのですが、会社の絶対数が多いエリアを探すほうが確率は高くなります。


前段でも書いてきたように、ランチの前後については、著者の営業時間とかぶっていなかったので詳しい情報がないのですが、あまりお客さまを見つけやすい時間帯ではないという印象です。人は多いのですが大抵は、オフィスから出てきて戻る方や、再びお買い物に赴く方なので、タクシーで移動する需要は大きくありません。それでも人がいればチャンスも生まれます。もしも人手が多いようなら、晴海通りや中央通り、あるいは銀座コリドー通りからのみゆき通りなどを流してみるのもいいでしょう。



 東京の華!夜の銀座の稼ぎ方

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夜の銀座は東京で最も稼げるエリアです。しかし単に銀座に行けば稼げるという甘いものでもありません。新宿のように24時間人がいるエリアとは大きく異なります。新宿の場合には、朝からはじまるホストクラブやキャバクラもあれば、昼からはじまる店、夕方からはじまる店、24時間やっている店もあります。街の都合に人が合わせているので、人間のほうが眠らない街に適応して24時間生活しています。その結果、移動手段が十分にない時間帯が生じるため、タクシーの出番となります。


平日22時から翌日1時までは、銀座4〜8丁目の繁華街を中心とした地域で、専用のタクシー乗り場以外ではお客さまを乗せられなくなります。つまり、この時間帯のタクシードライバーにできることは、タクシー乗り場に並ぶか、乗車禁止区域の外に出てお客さまを待つかになります。もちろん中には悪いタクシードライバーもいるもので、乗車禁止区域の中でこっそりお客さまを乗せてしまうということがあります。ただこれは多数配置されているタクシーセンターの監視員によってチェックされていますし、仮に監視員がいなかったとしても、タクシーセンターはGPSによってどのタクシーがどこで営業しているかを確認しているので、あとで発覚することもあります。ばれてしまうと本人にもペナルティがあり厳しいのですが、それ以上に会社に対するペナルティがあることがとても大きい。なぜなら会社のペナルティが一定量に達すると、優良タクシー会社から外されてしまい、銀座や空港などで営業ができなくなってしまうからです。会社に対するペナルティなので、上司には怒られますし、同僚からも非難されることでしょう。常習者は会社にいづらくなるのではないかと思います。


この時間帯についての営業はとてもシンプルで並ぶか並ばないか、です。銀座は地下鉄しか通っていないため、電車で帰宅するのは少し面倒な位置にあります。なので、まだ終電があってもタクシーで帰る方はいると思います。特に0時付近になると終電がなくなることが多いでしょう。なので、0時から1時はロングがとても期待できる時間です。この時間帯はお客さまに乗っていただくときはドキドキしますし、「住所いいですか?埼玉県……」などと言われたら心の中でガッツポーズします。一方で22時−0時の時間帯については、そこまで遠くに行く方は多くありません。もちろん、銀座なので驚くようなロングが出ることもありますが、やはりそこそこです。銀座で遊び慣れている方は、暗号のようなルート指定してそのまま眠りについたりします。


「シオドメ、ヨコハネ、ハマカワサキ」とか「ドバシじゃなくてカスミからヨウガね」などです。何のことだかわからない方はもう少し修行してから銀座に行きましょう。前者は汐留インターから高速に乗って、横羽線を使って南下して浜川崎降りです。後者は、目の前にある土橋口を使わず、霞ヶ関まで移動して、渋谷線を進み、用賀で降りることを指します。このくらいなら簡単なのですが、さらに細かいことを言われることがあります。最小限の確認ですぐに出発できるようじゃないと、なかなか銀座の営業は難しい。もっとも、このくらいは東京のタクシードライバーとしての基礎スキルなので、やっていればすぐに到達できると思います。こういった難しいオーダーに答えたくないタイプのドライバーは、深夜時間帯でも東京ローカルと言われる江戸川区や足立区などの駅に並んでいます。売上はあまり取れませんが、難しいことを言われることも、苦情をもらうリスクも低いからです。とにかく銀座に並んでいて道を知らないというのは、ありえないことなのだと肝に銘じ、周辺の高速道路の接続をしっかり理解してから行くようにしましょう。


乗車禁止区域が解除される1時以降は路地という路地にタクシーが殺到することになります。終電後のこの時間帯は最もチャンスが大きく、東京中の腕利きタクシーが殺到します。ただ、道の選択が悪いと非効率な営業になってしまうこともあるため、どの路地をどういった順番で攻めていくかしっかり考えておくと効果的です。銀座の1時以降はいわゆる確変タイム、フィーバータイムというようなもので、タクシードライバーは脳内麻薬がドバドバ出て眠気どころではなくなります。早い時間帯にお客さまを乗せられた場合には、高速道路を使って素早く銀座に戻ると、二度、三度とロングのお客さまを乗せられます。特に翌日が休みの祝前日、金曜日は朝方が近づいてもお客さまが途切れないことがあります。こう言うときには、タクシードライバーは満面の笑みで営業を続けています。


3時を過ぎてくるといわゆる上客は少なくなり、帰宅するホステスやママが現れるころです。この時間帯からは大きな売上は見込めませんが、すぐに銀座に戻れば何度も営業できるので小さく刻むことができます。そんな中に思わぬ大物が潜んでいて、朝方のロングということもありえます。しかしそういったお客さまは銀座よりも、六本木や新宿歌舞伎町などのほうが期待できるでしょう。


 新宿東口、昼の稼ぎ方

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新宿の特徴は24時間、人がいることです。そのため、昼でも夜でも稼げます。より正確に言うと、稼げるというよりはお客さまを乗せられるというべきかもしれません。昼はお買い物帰りのお客さまを探すことになります。行きは電車で軽々と来られても、歩き疲れ、荷物を抱えた状態では歩きたくないというお客さまは多い。よって、14〜17時は、それなりの距離を移動するお客さまがいます。特に新宿三丁目交差点の付近は伊勢丹があるので狙い目です。伊勢丹のタクシー乗り場は、国際自動車グループの専用乗り場になっていますが、伊勢丹以外にも多くのお店がありますし、伊勢丹の乗り場以外からタクシーを探すお客さまも多い。ただ、新宿三丁目から新宿駅までとか、歌舞伎町の風林会館前までと言われることがあるのが新宿の怖いところです。もちろんワンメーターです。個人的には、コロナ禍を経験しているのでワンメーターのお客さまでも心から感謝して乗っていただいております。中には「近くて悪いんだけど」と恐縮されるお客さまもいますが、「いえいえ!そんなことはございません!いつもタクシーをご利用頂きありがとうございます!」と大げさに感謝するようにしています。


細かく稼ぐのでも問題ないというドライバーでしたら、夕方の時間帯は、新宿駅の周辺よりも、百人町、北新宿のエリアがお勧めです。さらに遠く、中野や目白のほうも狙い目です。駅の側ではなく、なるだけ駅から離れたあたりを狙う作戦です。どういうことかというと、歌舞伎町に出勤していく方が多数いらっしゃるからです。新宿という街は不思議なもので、働いている人が周辺に住んでいることが多く見受けられます。それが低単価のお客さまが多いことの理由の一つにもなっています。とはいっても、歌舞伎町の近くの家が多いというわけではありません。少し離れたところにも住んでいる人はたくさんいます。その一番遠いエリアを探っていくと、1,000円程度の運賃のお客さまをたくさん見つけられます。歌舞伎町はコロナ禍でもあまり関係なく稼働していたので、そういったお客さまに随分と助けていただきました。1,000円の売り上げが10回入れば1万円です。その気になれば1時間に5回以上、多いときでは8回以上乗っていただくこともありました。それでも非常に細かくて、港区から出る長距離移動の方を見つけるほうが浪漫を感じるのですが、個人的には新宿でコツコツ積み重ねていくのは好きな営業スタイルです。


ドライバーの中には禁じ手の「回送板」を出して、他のエリアに移動する者もいます。本来、「回送板」は車庫に戻るときや休憩先に向かうときにしか出せません。予約のお客さまのところに向かうときは「迎車」を出します。よってこのようなことをするのは駄目ですが、新宿が嫌いなのでこのようなことをして脱出する人もいます。もちろんバレたときには問題になります。ただ、その場合はしばらく空走していくことになるため、営業機会が損なわれます。お客さまを見つけたときにあわてて空車に変更するのは、お客さまを選ぶ行為なので絶対にしてはいけません。


 歌舞伎町 夜の営業


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ここからが本格的なカオスです。歌舞伎町夜の営業です。一般的に0時くらいまではあまり歌舞伎町はお勧めできません。そんな早い時間に歌舞伎町から離脱する人は多くなく、いたとしても新宿駅まで歩くことになるかと思います。逆に言うと、お客さまを見つけても新宿駅までということが多い。新宿駅までお送りするのも悪くはありませんが、駅前は信号が多くてなかなか進まないことから距離が稼げません。従って時間を要する割に料金が安いという結果になります。その逆が高速道路で、短い時間で長距離を走行できます。従ってタクシードライバーの売り上げも増えやすくなります。新宿東口は、高速道路の乗り口が遠いのも稼ぎづらい理由の一つです。


新宿歌舞伎町が嫌われる最大の理由は悪い酔い方をしている人が多いことです。例えば銀座や赤坂のクラブで飲む場合には高いお酒を少しずつ楽しみます。そのため、酔いが回っていることは確かですが、嘔吐してしまったり、ドライバーに絡むような暴力を振るったりすることがあまり多くありません。一方で、新宿の場合には無茶な飲み方をする人が多いようです。そのため、泥酔して暴れたり、降りるときになってお金を持っていないと言い出したり、座席を蹴っ飛ばしたり、嘔吐をしたり……、というような荒れた車内になる可能性が非常に高い。そのためドライバーには敬遠されます。泥酔していると思った場合には断れるので、あんまりにも厳しいときは乗せられませんと強く言うこともできます。実際に私も、目の前で殴り合いをしていた血まみれの男性は断った経験があります。もちろん血まみれなだけならいいのですが、泥酔していてろれつが回らず「とりあえずまっすぐいけよ、てめぇ、なめてんのかよ」というようなことを聞き取りづらいトーンで話し続けていました。「申し訳ございません、無理ですね」と言い続けて何とか降りてもらいました。私の場合はこういう体験も面白いと思ってしまうのですが、嫌いなドライバーが多いのも頷けます。


ホストクラブ帰りの女性がタクシーをご利用になることも多いのですが、経験上機嫌が悪いことが多い。お酒を飲み過ぎるからというのもあると思いますし、会計が非常に高いからという理由もあると思います。一度乗せたお客さまは、ホストクラブで600万円を使ったと話していました。ご職業は風俗関係の方でした。もっともその方は、かなり手が震えていたものの、冷静に会話ができていました。一方で、お見送りのホストが見えなくなった瞬間に激高した方もいました。もちろん、まともに相手するとさらに怒らせてしまうだけなので黙々と目的地へと向かい、お支払いをしていただきました。皆さん早く帰りたいので、家の前で車を停めるとさっさと会計を終わらせてお帰りになります。


個人的に一番狙い目だと感じるのが、朝方です。タクシーの台数が減ってくる午前3時以降、7時くらいまでは狙い目です。といっても遠方まで帰る方は非常に少ない。少ないのですがいないことはありません。歌舞伎町と一口に言っても場所によって特徴が違っていて、ロングのお客さまが出やすいポイントもあります。私は歌舞伎町のど真ん中から、千葉県佐倉市までの25,000円のお客さまを見つけたことがあります。そういったお客さまは確かに存在しているのです。朝方でも1万円以上のお客さまはたくさんいます。ただ、周囲にワンメーターのお客さまが大量にいるのが問題なのです。ですので、新宿歌舞伎町を攻略するために大切となってくるのは、何度ワンメーターで飛ばされても、すぐに戻ってくることです。やっていると分かるのですが、5,000円程度を上限とするお客さまであれば頻繁に見つけられます。新宿で商売して成功している方ほど遠くに住む傾向があるからです。


歌舞伎町からは離れますが新宿2丁目も営業エリアとしてはお勧めです。特に、顔に自信がある若い男性の場合には、次々と手を挙がる可能性があります。お客さまから伺ったのですが、タクシードライバーの顔を見て選んでいるとおっしゃっていました。歌舞伎町と違って、2丁目は高単価のお客さまが多い。また一方通行の道を延々とぐるぐると通過し続けるだけなので営業の仕方も簡単です。歌舞伎町は近くに住んでいる人が多いエリアなのですが、2丁目の場合はここにしかないお店が多いので、遠くから集まってくるお客さまも多いのだと思います。そのためにロングが出やすいのです。お客さまは男性だけではなく女性も多いのが2丁目の特徴です。非常に懐が深いエリアで、東京でもっともディープと言えるでしょう。トラブルも、男性ドライバーが男性に口説かれるというケースを聞いたことがありますが、それを問題としないドライバーであれば大丈夫と思います。

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