タクシー求人サイトの内容に嘘があるのかどうか、、、

公開日:2024/12/28 13:22


タクシードライバーになろうと思って最初に行うのは、インターネットで検索してみることかもしれません。そうすれば求人サイトに出ている募集ページをすぐにみつけられると思います。


専門のタクシー求人サイトはさまざまなタクシー会社の求人をまとめてチェックでき、あなたが求める給与や、それ以外の待遇を効率的に探せます。タクシー専門の人材紹介のプロからサポートが受けられるのもポイントです。さらに、就職が決まると「祝い金」がもらえるとうたわれている場合もあります。さらに多くのサイトはタクシー情報のコンテンツも充実しており、未経験者も業界の知識を得られます。


こういった求人サイトから実際に求人に申し込む時はもちろん、問い合わせをする時点でも個人情報を登録することがあります。基本的には、タクシー求人サイトを運営するのは、厚生労働省の許可を得て人材紹介業務(職業斡旋)を行っている事業者のため安心して登録できます。ただ念のため、登録前にはサイトの厚生労働大臣許可番号は確認するようにしましょう。


そして実際にサイトをみてみると、非常に多くの情報があるので混乱するという方もいるかと思います。特に多額の祝い金が本当にもらえるのか、給与の目安は正しいのか、勤務地は書いてあるか、タクシーの勤務形態はどうなっているのかなど、さらにタクシードライバー未経験の方はいくつもの疑問をもつのではないかと思います。基本的に嘘が書いてあることはほとんどありません。しかし、条件付きや、業界に詳しくないとうまく解釈できない事柄も多数あります。この記事では、タクシー求人サイトに書かれている事柄について詳しく解説していきます。



 給与、勤務日数など条件があまりにも高待遇なのだが本当なのか


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最初に気になるのは、お金と勤務日数の問題ではないかと思います。例えば月給35万円以上と書かれている求人が目に付くことでしょう。会社によっては40万円以上と書かれていることもあります。逆に、15万円以上という控えめな数字を出している会社もあります。この二社を比べると、月給が倍以上違うわけですから、月給が高いほうの会社を選ぶべき……というのは判断が早すぎです。なぜなら高い月給水準が書いてあるほうが働きやすいとは限りませんし、稼げるかどうかもわからないからです。


どういうことかというと、タクシードライバーの給与はどの会社でも歩合制だからです。従って、15万円と書いてある会社で月給60万円を超えることは可能ですし、逆に、40万円という会社で月給が20万円を切ることもありえるということです。というわけで、この給与水準はあてにならないのですが、給与保証があるかどうかと歩率がどのくらいなのかはよく確認しておく必要があります。もう一つ、無線がどの程度鳴るのかは確認しておくべきです。詳しく説明していきます。


給与保証というのは何か、実例をみてみます。「未経験者に限って4ヶ月間36万円を保証する」「研修中は日当1万2000円」。このように書いてあった場合です。まず研修中の日当というのは、教習所に通って二種免許を取得する期間や、研修期間の日当のことです。つまり、タクシーの乗務をはじめるまでの期間にある程度の給料が保証されているということです。期間にすると2,3週間から、研修期間の長い会社の場合には二カ月くらいになる場合もあるはずです。続いて4ヶ月間にわたって36万円を保障されることについてです。


これはタクシー乗務を開始してからの給与保障のことです。タクシードライバーの収入は歩合性です。極端なことをいうと、お客さまを一人もみつけられず、売上が0に終わると収入も0となります。もしかしたら最低時給は保障されるのかもしれませんが、いずれにせよかなりの低収入となってしまいます。会社によっては月給が15万円からとなっている場合がありますので、そのくらいを想定すると良いと思います。


ただ、未経験でタクシードライバーをはじめるとなかなか売上が作れずに苦労することがあります。この給与補償額は、最初の4ヶ月に36万円を保障するというものです。つまり、4ヶ月間で営業方法を確立すれば、それ以降も安定して稼げるということです。この期間については3ヶ月という会社もありますし、1年というところもあります。


長いほうが有利という考え方もありますが、そんなに長いこと保障されている必要はないと考えることもできます。もちろん、収入が36万円を超えた場合には、その額面が支給額となります。あくまでも最低補償額です。


注意点としては、最低補償額を得るための条件があることです。これはホームページには載っていないので面接時や問い合わせ時によく確認する必要があります。具体的にどういう条件があるのかは会社によってさまざまです。一番ハードルが低いものとしては規定の乗務回数、乗務時間をこなしているというものです。つまり、月12回(日勤の場合は24回)の乗務を欠勤なくこなすことがまず一つ目の条件です。もう一つは、ハンドル時間が十分にあることです。


会社によって異なると思いますが14時間が標準的ではないかと思います。ハンドル時間の定義も、もしかしたら会社によって異なるかもしれませんが、タイヤを止めずに車を走らせている時間を指します。といっても信号待ちなどはカウントされません。筆者が務めていた会社では、15分間タイヤが動いていなかった場合には、自動的に休憩時間とカウントされるようになっていました。


つまり、出庫してすぐにどこかの駐車場に入って、ずっと昼寝していた場合には、そのほとんどは休憩時間とカウントされます。ハンドル時間は一時間以内となってしまうのです。こうなると営業していないとみなされて、最低保障給の条件をクリアしていないことになります。


では高速道路などを延々とグルグル回っていた場合にはどうなるかですが、この場合、ハンドル時間はクリアできます。しかし、売上はゼロです。これでもよしとするかどうかは会社によります。ただ、明らかに営業する気がないことは、走行ルートを確認すればすぐにわかってしまうので、怒られることは間違いありません。


また、こういったサボタージュを防ぐためにも、最低の売上目標を設けたり、最低の走行キロ数を定めたりします。場合によっては達成が簡単ではないこともありますし、もしブラックな会社であると達成困難な基準の場合もあるかもしれません。この条件についてはよくよく確認する必要があります。


ここまでは未経験者に対する祝い金について書いてきましたが、経験者に対する祝い金が別途設定されていることもあります。タクシー会社は既に免許を持っていて営業実績がある経験者の転職を歓迎してくれるわけです。


勤務日数については「月11回から」のように書いている場合もあるかと思います。これについては少し説明が必要です。この11回というのは隔日勤務の勤務回数のことを指します。隔日勤務というのは2日分まとめて働いて1日休む勤務方法のことです。つまり11回というのは実質的に22日勤務のことを指します。


隔日勤務の場合には11〜13回乗務することが多い。慣れないうちは12回の乗務をこなすのはかなりきついですが、段々と身体が慣れてきます。給与保証の期間とは、タクシーの勤務に身体が慣れるまでの期間と考えることもできます。


 入社時のお祝い金や入社後の福利厚生など、本当にもらえるのか


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タクシードライバーの求人にはお祝い金の額面が書かれていることが多い。額面は15万円から、多いところだと50万円以上のこともあります。直接みたことはありませんが、100万円とされている会社もあったようです。


最近はタクシードライバーの志望者が少なく売り手市場となっています。そのため、タクシー会社は他社と差別化してドライバーを集めようとします。そこで福利厚生を充実させたり、社内環境をよくしたりするわけです。ただ、そういったハード面での差をつけるのにも限界があるため、お祝い金という形で差を出すことがあります。お祝い金が多いと条件が悪い会社ということではなく、定年退職者が増えるなどして人員が不足し、ドライバーを増やしたいと考えている会社が祝い金を増額するという傾向はあると思います。


この祝い金についても注意点があります。こちらにも確実に条件がついているからです。タクシー会社としては、入社を決めてくれたことに対して祝い金を支払うと約束しています。しかし、受け取った瞬間にタクシードライバーがやめてしまっては払い損になってしまいます。そのため、ある種の制限を設けるはずです。よく聞くのは勤続3年が条件というものです。毎月の一定の水準をクリアした上で3年間勤続すると、祝い金をそのまま受け取れるというものです。


どういうことかというと、もしも半年で会社を辞めようと思った場合には、祝い金を返さなければいけないという状況が発生しうるということです。もちろん、これは契約によりますので、しっかりと確認しておけば問題ありません。ただ、返還する可能性があるうちは、祝い金には手を着けず貯蓄に回しておくほうが賢明かもしれません。


さすがに達成不可能な祝い金の条件を掲げている会社はないと思いますが、条件の達成しやすさには差があると思ったほうが良いです。なので、そこをしっかり聞いて見極めてください。


 勤務地や寮の場所などは本当か


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勤務地については、同じ会社でもいくつか営業所がある場合がほとんどです。その中でどの勤務地になるのかは、選べる場合と、会社都合である程度決まる場合があります。というのも、タクシーの台数は営業所ごとに決まっていて、タクシーが空いていないことにはドライバーもその営業所に入られないからです。このあたりは同じ会社でも時期によって違ってくると思いますので、問い合わせてみてください。


営業所や勤務地が変わるとタクシードライバーの収入も変化するのかどうかですが、これについては東京都に関しては都心に近いほうが有利とされています。板橋区、足立区、江戸川区、大田区などの周縁部よりも、中心に近い方が稼ぎやすい。どうしてかというと、中心に近いところに営業所があると、出庫してすぐに稼ぎ始められるからです。また帰庫時間のギリギリまで営業することもできます。


ただ、そこまで大きな差がつくわけではないのと、都心に近ければ近いほど、どうしても営業所は手狭になってきますので、施設面では郊外に劣ることがあります。個人的には自宅から通いやすい営業所がおすすめです。通勤の負担を小さくして、フルパワーで営業するのが一番稼げるからです。


寮や社宅の場所については、ホームページや求人でも紹介されていると思いますが、家族でも入れる物件なのか、営業所までのアクセスがどうなっているのかなどは、問い合わせてみるしかありません。


もう一つ筆者の個人的な意見なのですが、営業所の施設が良い会社はおすすめです。仮眠スペースが綺麗だったり、お風呂がついていたり、最近ではサウナまでついている営業所もあります。乗務明けのサウナがはたして健康にいいのかどうかはわからないのですが、好きな人によってはサウナがあることはとても大きいと思います。水風呂がついている営業所まではなかなかないかもしれませんが、最近はそういうところが出てきていてもおかしくありません。


 まとめ


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  • タクシードライバーの給与は歩合制で、求人に書かれている給与は社内平均や最低額などとなるため、厳密な数値ではない
  • 未経験者の場合には給与の最低額保障を受けられることが多いが、条件をよく確認すること
  • お祝い金も条件を要確認することと、お祝い金だけで会社を決めずに総合的に判断すること


タクシーの求人サイトに嘘があるかどうかをみてきました。嘘を書いてしまうと大問題になりますので、基本的に嘘は書いてありません。ただ、業界についてある程度知識がないと何のことだかわからないこともたくさんあることがおわかりいただけたでしょうか。正直に言うと、入ってから「ちょっと思っていたのと違うな」と感じてしまうドライバーもいるようです。


なので、この記事のような、ドライバー経験者や現役ドライバーが書いている生の意見を探しながら、会社を絞り込んでいくのがよいでしょう。その上で思うのは、どの会社に入ったとしても、稼げるかどうかは、本人の努力次第です。なので、人間関係がよく、通勤が快適な会社を探すことをおすすめします。

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