タクシーメーター入れ忘れあるあるについて!

公開日:2025/04/04 11:27


タクシーに乗り込んで行き先を告げると、運転手がメーターを倒してスタートとなります。私が知る限り、これは万国共通となっています。タクシーという乗り物が、距離と時間によって料金が変わるシステムになっているのが基本になるからです。


ただ、固定料金であったり、区間や時間によって料金が変わったりということはよくあります。海外のタクシーの場合、メーターがしっかり倒されているか、速く回りすぎていないか、料金はいくらなのかを注視する必要があります。国によっては乗り場を選ばないと違法タクシーに乗ることになってしまい、あとでトラブルになるという話もあります。


海外旅行に行く場合には、乗り物の安全性が国によって異なるため、そこを見極めることが大切です。とはいえ、色々な交通手段がある中で、タクシーはもっとも楽で、安全性が高い乗り物です。日本の場合は割高なイメージはありますが、タクシーが一番安い国でもあります。


さて、タクシー運転手がメーターを倒し忘れてしまうとトラブルになる可能性があるのも万国共通です。このメーター不倒、タクシードライバーの目線ではどのように見えるでしょうか。メーターを倒し忘れることなんてないだろうと思うかもしれませんが、メーターが手動である以上、ミスは起こります。どのくらいおっちょこちょいなドライバーなのかによっても違うと思いますが、筆者の場合には慣れないうちは週に1回、慣れてきたあとも月1くらいで発生していました。


どうしてメーターを忘れるのかというと、ドライバーはまずドアを開けて、お客さまに乗っていただいて、目的地とルートを確認します。それからスタートするのですが、ルートや交通状況、お客さまとの会話に気を取られて、忘れてしまうことがあるわけです。


私も何度か忘れたことがありますが、出発するときの手順が多いからでもあるのでしょう。まず、サイドブレーキを解除して、ギアをパーキングからドライブにシフトさせます。停車時は、サイドブレーキとパーキングが基本なので必ずこの手間があるのです。


メーターに関するタクシードライバーあるあるを含めながら、意外と知らないタクシーメーターの話をしていこうと思います。



 タクシーメーターとは何か


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タクシーメーターとは、道路運送法に基づいて設置が義務づけられた装置です。距離と時間に応じて自動で運賃を計測することができます。逆に言うと、日本では、タクシーメーターに頼らずに料金を計算できません。例外として、空港までの定額コースなどがありますが、普通にタクシーに乗る場合にはメーターを利用します。


メーターは空車、実車が区別されています。空車はお客さまがいない状態で、実車はお客さまが乗っている状態です。この切り替えの行いがタクシーメーターの機能です。ご存じだと思いますが、運賃が常に表示され続けています。段々と数字がカウントアップされていくシステムになっているので、やや不愉快な表示ではありますが、明朗会計であることは間違いありません。メーターの機能として、走った距離、実車になっている距離、お客さまが乗った回数、メーターがあがった回数などがカウントされており、タクシードライバーが運賃を着服できないようになっています。


その他のステータスとしては「支払」、「高速」などがあります。「支払」は精算作業をしているときに表示されます。要するにこの表示がでているときは時間によって料金があがっていくことがありません。「高速」については、距離によってメーターがあがるという意味では同じですが、時間によってメーターがあがることはないという特徴があります。


つまり、高速道路が渋滞したときにみだりにメーターがあがらないようにするための措置です。一般道なら途中で降りることはできるのですが、高速道路は降りることができないため、このような料金体系になっています。


 どんなときにタクシーメーターを入れ忘れるのか


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タクシーメーターを入れるのはタクシードライバーとして重要な仕事の一つです。まずはお客さまを探して、見つけ次第ご乗車いただき、ルートを確認して、メーターを倒します。そして、目的地に迅速に辿りついて、メーターを戻します。メーターを倒したところから、メーターを戻したところまでが運賃発生の区間です。従って、メーターを倒し忘れた場合には、運賃がいくらなのかわからなくなるという問題があります。


逆にメーターを戻し忘れるということは、基本的にはありません。唯一例外としてあるのは、お客さまが酔って暴れて警察沙汰になったときにメーターを戻し忘れるというような状況でしょうか。基本的にはお客さまが降りるときに、メーターを戻してお会計をします。なので、普通にお客さまが降りる場合には、特に困ることはありません。


ところで、メーターを倒す、戻すと言いますが、実際にはボタンを押すだけです。この言い方は、かつてメーターを手動で倒したり戻したりしていたころの名残のようです。同じように回送するときは、回送板を立てるという言い方をします。こちらも同様に、ボタンを押すだけです。こういうところに古き良きタクシー業界の名残が感じられるような気がします。個人的には好きなところです。


さて、ではどういうときにメーターを倒し忘れてしまうのかを説明します。これについては、心の油断が生じたときとしか言いようがありません。もちろん、何かに気を取られている間に倒し忘れることがほとんどなのですが、だからといって毎回忘れるわけではありません。何せ、タクシーメーターを倒すのは仕事の基本なので、本来は忘れるはずがないわけです。


私自身でいうと、月に1〜2回あるくらいです。逆に言うとそのくらいは倒し忘れが発生します。疲労が溜まっていたり、何かに気を取られていたりするのでしょう。理由があるときもありますが、理由がよくわからないうっかりミスもあります。例えばですが、銀座でご乗車いただいたお客さまが素晴らしいスーツを着ていて、それに見とれている一瞬に気が抜けたときがありました。その時は見事にメーターを倒し忘れました。そういった何気ない理由が多いように思います。


では、倒し忘れてしまったときはどうするのかです。前提として、メーターを倒し忘れてはいけません。まず、悪質なドライバーがぼったくするケースを考えてみましょう。そういう場合にはメーターをわざと倒さないでいて、会計時に不当に高い料金を請求することになります。日本ではあまり聞かないケースですが、ないことはないと思いますし、海外ではよく聞く話です。こういうケースを防止するために、タクシードライバーは必ずメーターを倒さなければいけません。倒さなかった場合にどうするかというのは、実は決まりがないのです。


実際のところメーターが倒れていないと、料金がいくらなのかはまったくわかりません。もちろん、距離を計算して大まかに出すことはできますが、多く取り過ぎてしまうと悪質タクシーとやっていることが同じなので問題になってしまいます。かといって少なく取るといっても基準が分かりません。


では、タクシードライバーの不備なので、料金は不要だと言うのが正解かというと、それも間違っています。というのも、タクシーはみだりに値下げをしてはいけないことになっているからです。つまり、メーター不倒と偽装して、友人などを安く運ぶケースなどがありえます。あるいは、料金をもらわない体を装って、車外で現金を受け取るなどという行為も想定できます。というわけで正解はなく、タクシーメーターを倒し忘れてはいけないということになります。


とはいっても、実際問題として倒し忘れはあるわけです。こういう場合は、どう処理すればいいのでしょうか。厳密に言うとイリーガルになってしまうかもしれませんが……。


まず、メーター外の料金はいただくことはできません。会計処理ができないからです。だから、おおむね2000円くらいだろうとして、お客さまからもらった場合には、そのまま財布に入ることになります。これは、着服行為と言えます。かといって会社に持って帰っても処理出来ないはずです。現実的な処理としては、近距離の場合は、ドライバーの過失であることを告げて料金をいただかない。


あるいは、実際の金額を上回ることのないような額をいただいて、チップとして処理することでしょうか。といっても、それもあまり表では言えない処理なので、可能な限りメーターを倒し忘れないように気をつけつつ、万一そうなってしまったときは、臨機応変に処理するのが良いでしょうか。


このあたりは会社によっても対応が異なると思います。後で怒られたくない方は、内勤職員に確認しておきましょう。ミスがまれにしか発生せず、その際に着服するようなことがなければ、大きな問題にはならないと思います。額面が大きいときなどは会社に相談するようにしましょう。そういう時のための会計処理があるかもしれません。


 タクシーメーターに関係する不正


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 最後にタクシーメーターを用いた不正の事例をご紹介したいと思います。まずは、タクシーメーター自体に細工をするケースです。タクシーメーターの上がり方が通常より速くなるように調整されているわけです。


メーターは、専門の会社以外は触ることができず、厳重に封印されているわけですが、かつては封印を破ってしまう悪いタクシー会社があったのかもしれません。私は聞いたことがありませんが、可能性としてはあるということでしょう。


また、海外でのケースは聞いたことがあります。日本のタクシーメーターは精巧な作りをしていることが想定されますが、海外だと疑わしいものもあるはずです。さらにいうと、メーター自体を自作しているタクシーもあることでしょう。日本で言う白タクというものですが、観光客からぼったくることに特化したタクシーもいるようです。空港でタクシーを見つければ安全という国もありますし、空港からして危険という国もあります。


次は運転手が敢えて誤った操作をして、過剰に料金を請求するケースです。これは上述したメーター不倒などによるものが想定されますが、おそらく他にも方法があるはずです。これはブラジルでのケースですが、場所や時間帯によって料金が異なっていて、安いときには1、高いときには2にするという操作がありました。これはタクシードライバーが自分で操作します。旅行ガイドには2に操作されられないように注意する必要があると書かれていました。


今となってはほとんどないと思いますが、タクシーメーターの故障や、故障を偽装した詐欺というのもあるかもしれません。聞いたことはないですが、可能性としてはあると思います。


偽装回送といって、回送を掲げて繁華街へと向かっていく行為も禁止されています。乗車拒否の一種と考えられるからです。この場合もメーターを操作することになります。


 まとめ


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  • タクシーメーターとは距離や時間に応じて料金を計算する装置のこと
  • タクシーメーターの入れ忘れは稀にあり、ドライバーとしては対応に困る
  • メーターを利用した不正、ぼったくり行為は現在ではほとんど見られない


タクシーメーターの倒し忘れについて見てきました。「絶対に忘れないようにしよう」「指さし確認をしよう」と心がけるものの、どうしても発生することがうっかりミスです。これは手動で行うという都合もありますし、お客さまによって対応が異なるという事情にもよります。


現実的な対応策としては、最初の信号で必ずメーターを見るようにするというものです。私の場合は、メーターが動いているかどうかをチラチラと見る習慣を付けています。ほんの数100メートル、メーターを入れ忘れているくらいであれば、“気持ち”運賃が安くなるという程度であまり大きな問題にはなりません。


この問題で、ドライバー視点でシビアに感じるのは、やはりお客さまタクシーメーターを凝視していることです。持ち合わせが少ない若い方に多いのですが、メーターを凝視して、少しも遠回りをされないようにスマートフォンでマップを見ているということもあります。もしかしたら嫌な思いをされたことがあるのかもしれません。


こういった場合には、若干緊張しますが、ドライバーとしてできることは安全運転をして、しっかりと目的地に行くことだけです。料金が高すぎると言われることは、もちろんあります。しかし、メーター通りなのでと言うしかありません。こういった事情もあるので、メーターの不正がないことはタクシードライバーにとっても非常に重要です。

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